酒蔵や日本酒を扱うお店の軒下に、杉でできた玉が吊るされているところを見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
あの玉は杉玉(すぎだま)というもので、お酒にまつわる神様、日本酒の酒造りと深い関係がありました。
新酒が出るお知らせ
日本酒は11月から翌年3月ごろの冬季が醸造する時期にあたり、一般的にお酒自体はおよそ1ヶ月で完成します。
その後4月から10月にかけての暖かい時期は、その時期に作ったお酒を販売したり、お米を作る期間になります。
新しい酒造りのシーズンを迎えるたびに神様へ感謝や願いを込めて、その年の最初の日本酒が完成する11月下旬に新しい杉玉に取り換えることが習わしです。
冬の新酒ができあがると、酒蔵はその年のお酒が完成したことに感謝して杉玉を飾り、日本酒ファンには新酒ができたことをしらせます。
作りたての杉玉は青々としているのですが、そこから杉の葉自体が枯れていき赤みがかった茶色に変わっていくのですが、その色の移り変わりに伴ってお酒の熟成具合もわかるという重要な役割を担っています。
発祥は日本三大酒神社の一社「大神神社」
奈良県桜井市にある日本最古の神社、大神(おおみわ)神社が発祥といわれています。
毎年11月にお酒造りの安全祈願をするお祭りが開かれ、その際に「おいしいお酒ができますように」という願を込めて全国の蔵人がお参りに訪れます。
神社のご神体である杉の葉を酒造りのお守りとして持ち帰り、その葉が丸い形に整えられ、軒先に飾られるようになったものが杉玉と呼ばれるようになり、酒蔵の象徴となっていきました。
杉と日本酒
日本酒の樽を想像した際、木で作られていると想像する方も多いと思います。
だいたいのものが杉で作られているのですが、杉玉をはじめとして醸造・貯蔵の桶、樽酒の樽と日本酒造りには杉がよく使われています。
大神神社のご神木が杉であることはもちろん理由の一つですが、杉の木はまっすぐに割りやすく加工しやすかったこと、杉特有の香りを日本酒に移して独特な味わいを生み出す目的でもあったと言われています。
杉玉どうやって手に入れる?
専門の業者に依頼することも可能です。
直径30cmで3㎏ほどになるようですので、吊るす際には吊るす天井や壁、フックなどの強度をご確認ください。
まとめ
杉玉は単なる飾りという役割だけでなく、新酒の熟成具合を知らせる重要な役割を担っています。
時間とともに変わっていく杉玉の色に合わせて旬の日本酒を選んで楽しんでみてはいかがでしょうか?
美味しい日本酒のお供に、エテナの酒器はいかがですか?