「日本酒」と一言で言っても、酒蔵は全国1,400以上、銘柄は10,000以上と言われています。
そもそも日本酒ってどこから入ったらいいの?というハードルを少しでも下げるために、日本酒の分類と作られ方をご紹介します。
日本酒の種類
10,000以上の銘柄も、8種類に分けることができます。
その違いは「精米歩合」です。
削って残った部分のこと
「精米歩合」とは玄米から表層部を削って残った米の割合のこと。
精米歩合が低ければ低いほど、それだけ削って手間と時間をかけて丁寧に磨いているということがわかります。
ただし、削ればそれだけで良い酒だというわけでもないというところが日本酒の奥深さであり、魅力でもあります。
普段食べているお米の精米歩合は?
食用の米の精米歩合は90%ほど。
酒用の米を磨いているのはうま味の入る量を調整するためですが、食用の米はうま味の量を減らす必要がないからです。
酒蔵ごとの研究の成果「ちょうどいいうま味」
米の表層部分にはタンパク質・脂質・でんぷんなどの栄養素が詰まっていますが、日本酒を作る上でタンパク質や脂質が多すぎてしまうと雑味として出てきてしまいます。
削って磨いて成分をちょうどいい量に調整する必要があります。
また、米に含まれる脂質は香りを抑制します。
大吟醸などの精米歩合ほどになるとほとんど脂質が含まれなくなるため、香りが高くなるのです。
精米歩合が低い大吟醸酒などは華やかで香り高く、精米歩合が高い本醸造酒や純米酒などは米本来の香りとうま味を楽しむことができます。
削って磨いて、何が残るのか
削って磨いて中にはなにがあるのか、気になっている方もいらっしゃるかと思います。
それは「心白」と呼ばれるでんぷんの組織で、タンパク質や脂質が少ないことが特徴です。
また、心白にはすき間があることが特徴で、そのすき間に酵母が入ってきやすくなり、より糖を分解できるようになります。
日本酒の造られ方
まず日本酒というものは、原料が米と米麹、またはそこに醸造アルコールが追加されてできているものを指し、発酵させることによって造られています。
麹が米を分解→分解するとでんぷんが糖に変わり→糖を酵母が分解して→アルコールができます。
酵母がアルコールを作るのに最適な温度は25℃~26℃ですが、普通酒や本醸造酒なら12℃~13℃、大吟醸なら10℃~10.5℃という低温でじっくりゆっくりと発酵させていきます。
発酵しているとだんだん発熱していき、どんどん温度が上がっていってしまいます。
そのためとても慎重で丁寧な温度管理が肝心です。
日本酒造りといえは「タンクの中身をよく混ぜている」情景を思い浮かべませんか?
どうしても下に沈殿してしまう比重の重いものが沈まないように、また発酵・温度にムラのないように、1タンクごとに丁寧にかき混ぜられています。
さて、最初の表をまたご覧ください。
右と左の違いは何だと思いますか?
正解は「醸造アルコールの有無」です。
と、醸造アルコールの有無によって分けられています。
「純米」と書いてあれば醸造アルコール無、そうでなければ醸造アルコール有と見分けられますので、ラベルをチェックしてみてください。
水に比べ香水のようにアルコールの方が香りが付きやすい特性があります。
醸造アルコールは香り付けであったり、アルコール度数の調整のために入っています。
結局どれから飲んでみたらいいの?
飲食店のメニューや酒蔵のホームページでお酒の説明文を読んでみてください。
その説明がビビッと来たものを飲んでみて、それが気に入ればその分類のものを開拓して、ぜひお気に入りの一本と出会っていただきたいです。
いろんな種類飲み比べてみたい方は、試飲や量り売りをしてくれる酒屋さんもありますので、ぜひ探してみてください。